DN
DN は、そのディレクトリ番号によって一意に識別される通信デバイスであり、そこに顧客インタラクション (通話や電子メールなど) が配置されたり処理されます。
ほとんどのタイプの DN は電話システムの実際のデバイスを表すため、Configuration Database 内の DN の仕様が各交換機の設定に常に対応している必要があります。Genesys Administrator Extension にはこの対応関係を検証する手段がないことに注意してください。
一般的なルールとして、Configuration Database における DN 構成の変更内容は、電話システムにおける DN の変更内容に常に従う必要があり、その逆であってはなりません。
DN の表示
[DN] リストには、環境にある DN が一覧表示されます。このリストは、テナント、構成単位、サイト、フォルダー別の階層でソートされて表示されます。特定の階層別にオブジェクトを表示するには、リストの上にあるドロップダウン メニューで階層のタイプを選択します。
- [交換機] リストは Configuration Manager で [DN] を選択すると表示されます。[DN] リストを表示するには、まず交換機オブジェクトを選択してから DN フォルダーを選択します。
- 無効になっている DN は、リストに淡色で表示されます。
Configuration Manager は、テナントのアクセス権の設定に従います。アクセス権および特権を付与されているオブジェクトだけにアクセスできます。
このリストの内容には、2 つの方法でフィルターを適用することができます。
- [クイック フィルター] フィールドに、オブジェクトの名前、または名前の一部を入力します。
- キューブのアイコンをクリックして、[テナント ディレクトリ] フィルター パネルを開きます。このパネルで、 テナントをクリックして選択します。このパネルの [クイック フィルター] フィールドを使用して、テナント リストにフィルターを適用します。
列見出しをクリックすると、その情報別にリストをソートできます。列見出しをもう一度クリックすると、ソート順が逆になります。[列の選択] をクリックして、列を追加したり削除することもできます。
オブジェクトを様々な基準でグループに分類するには、[グループ基準] をクリックします。
一度に複数のオブジェクトを選択したり、選択を解除するには、[選択] をクリックします。
DN タイプ
DN は次のいずれかのタイプに分類されます。
DN タイプ | 説明 |
---|---|
アクセス リソース | 外部ルーティングのためにマルチサイト環境で使用される交換機のアクセス リソース。 |
ACD ポジション | 顧客インタラクション専用に指定された内線。 |
ACD キュー | 主にいくつかのターゲットに関連付けられた交換機内のデバイス。制御システムが利用可能なターゲットを探している間に、顧客インタラクションがそのデバイスで待機します。
looking for an available target. |
コール処理用ポート | コール処理用装置のポートに接続される内線。 |
チャット | チャットのアドレス。 |
コブラウズ | コブラウズのアドレス。 |
コミュニケーション DN | アプリケーションがユーザー イベント メカニズムを介して互いに通信するために利用する仮想デバイス。 |
電子メール アドレス | 電子メール アドレス。 |
内線 | 通常の内線。 |
外部ルーティング ポイント | 外線ルーティングやコール オーバフローの機能をサポートするための専用の ISCC (Inter Server Call Control: 中間サーバーでのコール制御) リソース。 |
FAX | FAX 機に接続される内線。 |
ミックス | 内線としても ACD ポジションとしても使用できる内線。 |
モバイル端末 | モバイル端末。 |
モデム | データ通信機器に接続される内線。 |
音楽用ポート | 音楽ソース。 |
ネットワークの宛先 | ネットワーク ルーティングにおける宛先の番号。 |
ルーティング ポイント | 特定のターゲットに関連付けられていない交換機内のデバイス。ルーティング アプリケーションがルーティング先を決めている間に、顧客インタラクションがそのデバイスで待機します。 |
ルーティング キュー | ルーティング ポイントとしても ACD キューとしても使用できるテレフォニー デバイス。 |
サービス番号 | ネットワーク ルーティングにおけるルーティング ポイントとして使用されるサービス番号。 |
タイ ライン | プライベートな電話ネットワークの 2 台の交換機の間の直接的な通信チャンネル。 |
タイ ライン グループ | 1 つのルートを形成するタイ ラインのグループ。 |
トランク | 公共の電話ネットワークとプライベートな電話ネットワークの間の通信チャンネル。 |
トランク グループ | 1 つのルートを形成するトランクのグループ。 |
Video Over IP ポート | ビデオのチャンネル。 |
仮想キュー | ACD キューと同じアクティビティを行う、交換機によって作成および保守される仮想デバイス。 |
仮想ルーティング ポイント | ルーティング ポイントと同じアクティビティを行う、交換機によって作成および保守される仮想デバイス。 |
ボイス メール | ボイス メールのチャンネル。 |
Voice Over IP ポート | Voice over IP (VoIP) のポート。 |
Voice Over IP サービス | VoIP のサービス。 |
音声トリートメント ポート | 電子オーディオ機器のポート (IVR など) に接続される内線。 |
ワークフロー | ワークフローのリソース。 |
DN の作業
新しい DN オブジェクトを作成するには、[新規作成] をクリックします。既存のオブジェクトの詳細を表示または編集するには、オブジェクトの名前をクリックするか、オブジェクトの隣のチェックボックスをオンにして、[編集] をクリックします。
1 つ以上のオブジェクトを削除するには、削除するオブジェクトの隣のチェックボックスをオンにして、[削除] をクリックします。または個々のオブジェクトをクリックして [削除] をクリックすると、オブジェクトを 1 つずつ削除できます。
上記以外の場合、[詳細] をクリックして次のタスクを実行します。
- 複製—DN をコピーします。
- 移動先—DN を別の階層構造に移動します。
- DN を有効または無効にします。
- フォルダー、構成単位またはサイトを作成します。詳細については、「オブジェクト階層」を参照してください。
DN の名前をクリックすると、そのオブジェクトの詳細情報が表示されます。オプションやアクセス権を設定したり、依存関係を表示することもできます。
DN の作成
DN を作成するには、次の手順を実行します。
- DN を作成する交換機オブジェクトをクリックします。
- DN を作成する DN フォルダーをクリックします。
- [新規作成] をクリックします。
- 次の情報を入力します。一部のフィールドでは、値の名前を入力するか、[参照] をクリックしてリストから値を選択できます。
- 番号—交換機内でこの DN に割り当てられているディレクトリ番号。このプロパティには値を指定する必要があり、その値は宛先ラベルタイプ以外のすべての DN タイプに関して、交換機内で一意でなければなりません。一旦値を設定すると、その値を変更することはできません。Genesys Administrator Extension では、DN に割り当てられた番号と、交換機の [DN 範囲] プロパティで定義された交換機のナンバリング プランとの対応関係は検証されません。T-Server の仕様に従い、環境でそのような対応関係が重要になる場合は、対象となる交換機内で定義されているすべての DN 番号が、指定された DN 範囲に含まれるようにしてください。
- タイプ—DN のタイプ。一旦値を設定すると、その値を変更することはできません。
- 交換機—このDN が属している交換機。このプロパティには値を指定する必要があります。一旦値を設定すると、その値を変更することはできません。
- 関連項目—この DN に永続的に関連付けられているエンティティ (IVR ポート番号、チャンネル名、アクセス番号など)。外部ルーティング ポイント タイプの DN では、この番号は実際の DN ディレクトリ番号の代わりとして必要になる場合があり、別の交換機からこのルーティング ポイントにコールを発信するときに使用される場合があります。
- 登録—T-Server が交換機内でこの DN を登録する必要があるかどうかを示します。このプロパティには値を指定する必要があります。ドロップダウン メニューから、以下のいずれかの値を選択します。
- False—T-Server は対象となる DN を交換機に登録せずに、ローカルで処理します。
- True—T-Server は、T-Server の起動時または再接続時に、常に DN を交換機に登録します。
- オンデマンド—T-Server は、T-Server クライアントが登録をリクエストしたときのみ、DN を登録します。 詳細については、T-Server のマニュアルを参照してください。
- エイリアス—この DN の代替名。ルーティング手順の際に DN がターゲットとして使用される場合は、このプロパティの値を指定する必要があります。この値を指定する場合、その値は Configuration Database (エンタープライズ環境内) またはテナント (マルチテナント環境内) において一意のものでなければなりません。
- ルート タイプ—この DN に適用されるルーティングのタイプ。このプロパティには値を指定する必要があります。
- DN グループ—この DN が属している DN グループ。
- 上書き—の値は、一部のルーティング タイプでこの DN にアクセスするために、番号や名前の値の代わりに上書きとして使用する値。その交換機内で一意の上書きの値を指定する必要があります。
- ログイン ID—この DN をアクティブにするために使用されるログイン ID。ある種の交換機システムでは、特定の DN をアクティブにするために使用されるログイン コードが、この DN に永続的に関連付けられていることを必要とします。その場合、ログイン ID は次のタイプの DN に適用できます: ACD ポジション、内線、音声トリートメント ポート、ボイス メール、またはミックス。
- 交換機固有タイプ—この DN に関する交換機固有の設定の組み合わせに対応する整数。T-Server がサポートする各交換機 (PBX) のデバイス タイプ (内線、ACD ポジション、トランクなど) を識別します。これは各交換機/DN/T-Server の構成に固有です。実質的には T-Server と PBX 間の DN タイプの相互参照を提供します。このプロパティには値を指定する必要があり、その値は 1 以上でなければなりません。詳細については、お使いの T-Server の『Framework T-Server Deployment Guide』を参照してください。
- トランク数—この DN に関連付けられているトランクの数。この値は、[タイプ] プロパティに [ネットワークの宛先] という値が設定されている場合にのみ適用されます。デフォルト値は 0 です。
- テナント—マルチテナント環境で、このオブジェクトが属しているテナント。この値は、オブジェクト リストの [テナント ディレクトリ] フィールドで指定されたテナントに自動的に設定されます。
- 有効状態—選択すると、オブジェクトが通常の動作状態にあり、何の制限もなく使用できることを示します。
警告設定が有効または無効かにかかわらず、最後の 2 つの値を使用した場合、T-Server はこの DN を強制的に登録します。重要[上書き] フィールドの値を指定するには、[上書きを使用する] チェックボックスがオンになっている必要があります。 - [保存] をクリックします。
インポートおよびエクスポート用 CSV ファイル
一括インポート/エクスポート機能を使って、DN をインポートしたり、CSV ファイルにエクスポートしたりすることができます。インポートに使用するインポート ファイルと、データをエクスポートして作成するエクスポート ファイルは完全に互換性があり、1 つのファイルをインポートとエクスポートの両方に使用することができます。インポート ファイルを自分で作成したい場合は、このヘルプ ファイルの一般的な CSV 情報に関するトピックと、以下のオブジェクト固有のトピックを参照してください。
CSV ファイルのフィールド
ソース ファイルは CSV 形式のテキスト ファイルで、拡張子は .csv です。
ソース ファイル 1 行が、DN 1 つに相当します。ソース ファイルに同じ DN は 1 つしか存在できません。ソース ファイル内の DN の一意の ID は、[番号] フィールドです。
ファイルの列は、DN のプロパティです。ファイルの 1 列目には、フィールドを識別できるよう列の名前が入っています。列の順序は重要ではありません。各列のヘッダーまたは値の後にコンマを挿入します。列に値がない場合には、前のコンマの直後にコンマを挿入します。ユーザーのプリファレンスやファイルの目的に応じて、必須ではない列はソース ファイルから除外することもできます。
ソース ファイルには各ユーザー/エージェントに関する以下のプロパティが含まれます。
名前 | タイプ | 必須 | 説明 |
---|---|---|---|
アクション | ADD、UPDATE | はい | この DN に対して行う操作として、新規 DN の作成 (ADD) または既存の DN の変更 (UPDATE) のいずれかを指定します。
この列は、ファイルのエクスポート時に GAX によって自動的に追加されます。含まれるレコードにはすべて [UPDATE] の値が付与されます。ソース ファイルを一から作成する場合、この列を手動で追加する必要があります。どちらの場合でも、このフィールドは必須であり、各レコードに値を付与する必要があります。 |
数 | 文字列 | はい | DN の番号または名前。 |
タイプ | 文字列 | はい | DN のタイプ。 |
交換機 | 文字列 | はい | DN が作成された交換機の名前。 |
登録 | 文字列 | はい | DN が登録されているかどうかを示します。 有効な値: Y、N、オンデマンド |
エイリアス | 文字列 | いいえ | このDNの代替名。ルーティング手順の際に DN がターゲットとして使用される場合は、このプロパティの値を指定する必要があります。 |
ルート タイプ | 文字列 | はい | このDNのルート タイプ。 |
関連項目 | 文字列 | いいえ | この DN の関連項目のフィールドの値。 |
交換機固有タイプ | 文字列 | 番号 | この DN の交換機固有タイプ フィールドの値。 |
有効 | 文字列 | いいえ | この DN が有効か (Y) 無効か (N)。 |
例
次のデータを GAX にアップロードして、DNを 2 つ作成します。
アクション | 数 | タイプ | 交換機 | 登録 | ルート タイプ | 有効 |
---|---|---|---|---|---|---|
ADD | 2389273 | チャット | 交換機 1 | Y | デフォルト | Y |
ADD | 7843920 | FAX | 交換機 1 | Y | デフォルト | Y |
このデータを CSV ファイルにすると、次のようになります。
Action,Number,Type,Switch,Register,Route Type,Enabled
ADD,2389273,Chat,Switch1,Y,Default,Y
ADD,7843920,Fax,Switch1,Y,Default,Y